【2nd Kitchen お弁当】お弁当の定番メニュー「のり弁当」の魅力色々   

コロッケ弁当、唐揚げ弁当、ハンバーグ弁当など、コンビニなどで販売されているお弁当には様々なものがありますが、お弁当が多様化した現在でも根強い人気があるのが「のり弁当」です。

持ち帰り弁当店などには「必ずある」といっても過言ではない定番のお弁当ですが、「のり弁当」にはどのような歴史と魅力があるのでしょうか。

 

板海苔の誕生は江戸時代

のり弁当は海苔を敷き詰めたご飯に白身魚のフライやちくわの磯部揚げなどのおかずがついたシンプルなお弁当ですが、のり弁当に使用されている「板海苔」が食べられるようになったのは江戸時代頃からだといわれています。

いつから作られるようになったのかははっきりしていませんが、江戸時代中期には海苔をそのまま広げて乾かした「展延法(てんえんほう)」と呼ぶ方法で作られた海苔が、安くて栄養があるということから庶民にも広く伝わっていたようです。

 

高度成長期に発展した海苔産業と「のり弁当」の誕生

海苔の養殖は江戸時代から行われていましたが、この頃の海苔の養殖は「海中に篊(ひび)と呼ばれるかけや木の枝を立てる海苔が生育し、その海苔を採取する」といったもので、養殖法としては効率的とは言えないものでした。

しかし、第二次世界大戦終結後に海苔のライフサイクルが解明され、海苔の養殖が広範囲に拡大。1960年代以降になる、高度成長期に海苔産業は養殖しやすい品種が開発されて、高度成長期に海苔産業は一気に発展しました。

この頃から、海苔をご飯に敷くスタイルのお弁当が家庭で作られるようになり、鰹節、醤油、海苔をのせた「のりおかか弁当」が一般家庭の間で広まっていきました。

1976年には持ち帰り弁当チェーンとして登場したほっかほか亭が、のりおかか弁当」に白身魚のフライとちくわの天ぷらを乗せた「のり弁当」を発売し、広まっていきました。

 

「のり弁当」の魅力

「のり弁当」は価格が安くて手軽に食べられることが最大の魅力ですが、シンプルで食べ飽きない、単純に美味しいといった理由から現在でも多くの人から愛されています。

また、「おかずではなく海苔をメインにしているところが奥ゆかしい」「洗練されたシンプルさにわびさびを感じる」「学生のころを思い出す」など、味や価格以外の部分に魅力を感じている人もいるようです。

 

まとめ

登場以来「安くておいしい」と愛されてきた定番の「のり弁当」ですが、原料の値上がりや増税などの影響で、「安くておいしい」を維持できなくなる可能性があります。

しかし、「安さ」以外の魅力を感じている人も多いため、時代に合わせて変化しながら、これからも愛されていくのではないでしょうか。