【2nd Kitchen 栄養・食材】掃除だけじゃない。お菓子作りなどでも使う重曹の用途色々。  

焦げた鍋の洗浄や油汚れの掃除などに使えて、手肌にも優しいエコな掃除用品として注目されている「重曹」は、掃除だけではなく料理にも使うことができます。

料理に重曹を使うとどのような効果が得られるのでしょうか。

生地をふっくらさせる

焼き菓子を作るとき、ベーキングパウダーを混ぜて生地をふっくらと仕上げることがありますが、実は、べーキングパウダーの主成分は重曹です。

そのため、重曹はベーキングパウダーの代用品として焼き菓子作りに使用することができます。

ただし、ベーキングパウダーには重曹のほかにコーンスターチなどの成分が入っているため、重曹を使うよりもきれいに焼き色がついたり、匂いや味、色に違いがでたりします。また、生地の伸びる方向が重曹は横、ベーキングパウダーは縦といった違いがあるため、作るお菓子によって使い分けるとよいでしょう。

ゆで野菜を色鮮やかに

重曹の化学物質名は「炭酸水素ナトリウム」といいますが、水に溶けた炭酸水素ナトリウムは黄色い色を付ける「着色作用」を持っています。

そのため、お菓子の生地などに使用するとほんのり黄色味を帯びてしまいますが、重曹を加えた水で野菜をゆでると発色がよくなり、色鮮やかに仕上げることができます。

ただ、繊維を柔らかくする効果があるため、煮崩れを起こしやすくなります。お浸しなどサッとゆでる調理に使用するとよいでしょう。

果物に付着している農薬やワックスを落とす

重曹が掃除用に使われる理由の一つに、細かい粒子がもつ「研磨効果」が挙げられます。この効果は掃除だけではなく、皮付きのまま生食する野菜や果物の下ごしらえにも利用することができます。

リンゴなどを重曹で磨くと、表面についた農薬やワックス、汚れなどをきれいに落とすことができます。重曹には苦みがあるため、磨いた後はしっかり重曹を落としましょう。

山菜のアク抜き

ワラビやゼンマイといった山菜は強いアクがありますが、繊維が硬いため水で茹でただけではアクを取ることができません。

重曹を使用すると食物繊維が柔らかくなってアクが溶け出しやすくなるだけではなく、硬い山菜を食べやすい柔らかさに仕上げることができます。

肉を柔らかくする

弱アルカリの性質を持つ重曹は、食物繊維だけではなくタンパク質を分解する作用もあります。そのため、重曹を混ぜた水に肉やエビ、イカなどを浸しておくと、加熱しても身が硬くなったり、縮んだりしにくくなります。

まとめ

このほか、ぬめりと臭みにある魚の下ごしらえに重曹を使ったり、豆を煮るときに使ったりすることもできます。酸味をやわらげたり、水をまろやかにする効果もあるので、料理にも幅広く使うことができます。

ただし、重曹は品質によって「掃除用」「料理用」「薬品用」に分類されていますので、掃除用の重曹を料理に使うのは避け、料理には料理用の重曹を使いましょう。なお、料理用の重曹を掃除に使うことはできますが、料理用の重曹は掃除用よりも高価なので、あまりオススメできません。