【2nd Kitchen コラム】アスリート スポーツ選手の身体づくりのための食事管理⑨

ビタミン・ミネラルの摂取について

アスリートにとってのビタミン

◎ビタミンB群

まず、ビタミンには水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンとが属しています。そのうち、ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)は、エネルギー代謝の過程で起こる化学反応時の補酵素としてなくてはならない存在です(コラム:ビタミンの項 参照)。アスリートの皆さんは、エネルギー消費量も増加することから、比例してビタミンB群の必要量も増しますね。ビタミンB群は水溶性ビタミンであるため、過剰摂取による体内の蓄積等の心配はなく、必要量が満たされると、余剰分は尿中に排泄されることになります。よって、万一ビタミンB群のサプリメントを摂取していた場合、必要以上の摂取時は、尿が通常より黄色く、ビタミン臭がすることがあります。

◎ビタミンD

次に、脂溶性ビタミンである、ビタミンDですが、これは、カルシウムとリンの吸収および代謝を調節し、骨代謝に強く関係している重要なビタミンの一つです。ビタミンDは紫外線B波(UVB)によって活性化ビタミンDとなって代謝に関与します。たとえ、ビタミンDの摂取が満たされていてもUVBの照射時間が少ない場合には、ビタミンD欠乏状態となり、骨などに影響を与えます。近年では、UVカットの化粧品や衣類によって、日光の照射下にありながらもUVBの照射量が満たされず、骨などへのリスクの増加につながることが示唆されつつあるようです。ビタミンDの摂取量に関する研究はいろいろとなされているものの、考慮すべき要因が多いことからも明確な摂取量は未だ確定されていません。ゆえに、少なくとも食事摂取基準で定められている目安量の5.5μg/日を摂取する努力をし、併せてUVB照射を意識して生活することが大切だと考えられています。因みにビタミンDは、魚や魚卵、卵に多く含まれるほか、きくらげや干ししいたけなどのきのこ類にも多く含まれることで有名ですね。

アスリートにとってのミネラル

ミネラルの種類およびその働きは多岐にわたりますが、微量ながらも我々が健康な生活を送るためにはとても大切なものです(コラム:ミネラルの項 参照)。ビタミン同様、アスリートは、身体活動量がそうでない人よりも多いことから、必然的にミネラルの必要量も増加します。減食や偏食の場合には、ミネラルの欠乏症が現れ、パフォーマンスに影響を及ぼすことさえもあります。ミネラルの摂取量は、食事摂取基準の推奨量、目安量を参考にして食事からの摂取を基本に組み立てていくことが望ましいと言われています。