【2nd Kitchen コラム】現状を見直してみましょう!

糖質制限ダイエットが根強く流行しています。本コラムの『三大栄養素 その1糖質』の項でも記載したように、我々はエネルギーの半分以上を糖質より得ています。ゆえに、たんぱく質、脂質は以前と変わらぬ量で、糖質のみを減らすと、その分のエネルギーが減るため、全体としての摂取エネルギーは減少し、当然効果が見られます。賛否両論ではありますが、長期的に制限を続けると、体がその代償反応を起こし、見えないところで少しずつ不調をきたすと考えられます。

BMI

BMI(Body Mass Index):体格は、身長に見合った体重であるか、を判定する値です。

BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)

健康診断の結果等で見たことが、あるいは、もうすでに計算された方も多いのではないでしょうか。かつては、エネルギー量で過不足を判定していましたが、体型が各々で異なること、また、糖尿病等、生活習慣病の有無などにより一概に言えないことから、このBMIが良好なまま維持できているか否かで判定することになりました。目標とするBMIの範囲は以下の通りです。

年齢(歳) 目標とするBMI(kg/m²)
18~49 18.5~24.9
50~69 20.0~24.9
70以上 21.5~24.9

現体重、身長におけるBMIはいくらだったでしょうか。BMI25以上になると肥満とされているため、食生活ならびに運動の見直しが必要です。

推定エネルギー必要量

推定エネルギー必要量とはエネルギー出納(エネルギー摂取量-エネルギー消費量)がゼロとなる確率が最も高くなると推定される習慣的な1日あたりのエネルギー量とされています。前述したとおり、かつては、この推定エネルギー必要量が主として用いられていました。以下の表は、推定エネルギー必要量(kcal/日)の参考です。なお、実際の表には、妊婦・授乳婦の付加量が記されていますが、今回は省略してあります。

身体活動レベルはⅠ(低い)、Ⅱ(ふつう)、Ⅲ(高い)の3分類であり、その目安は以下の通り。大半の方はⅡに相当すると考えられます。

Ⅰ:生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合

Ⅱ:座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合

Ⅲ:移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合

自身の推定エネルギー必要量は見付けることが出来たでしょうか。

では、何をどのくらい摂取したら良いか… 個々人により身長、体重、体質含め異なることから一概にこれだけ、とは言い切ることは出来ません。しかし、上記の事柄をヒントに取り組むことは出来ます。家庭料理のエネルギー量を算出することは困難かもしれませんが、栄養成分表示の原則義務化が発せられ、市販品のほとんどには栄養成分表示がなされています。インターネットに掲載してあるところもあります。栄養成分表示には、エネルギー・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量が記されています。一度、食品を選択する際に商品を裏返し、まずエネルギー(kcal)の項目を見てみてください。思ったよりもカロリーが低いあるいは反対に高い、など発見があるかもしれません。例えば、推定エネルギー必要量が1日1,950kcalの場合、単純に3食で計算すると1食あたり650kcalです。仮に夕飯について考えたいと思います。主食としてお茶碗(中サイズ)一杯分約150gを食べたとします。米飯50gが約80kcalなので、50g80kcal150g:〇kcal となり、約240kcal650kcalのうち、240kcalは主食の米飯となり、残り主菜・副菜で410kcalです。仮に以下2パターンの場合を見てみたいと思います。※カロリーは使用する材料等により異なります

パターン①

主菜)からあげ 添えにキャベツ・トマトあり 380kcal

副菜)ポテトサラダ             250kcal

                         計630kcal 1食合計870kcal

パターン②

主菜)鯖の味噌煮240kcal

副菜)納豆100kcal、ほうれん草のごま和え54kcal、お吸い物15kcal 

                         計409kcal 1食合計649kcal

揚げ物やマヨネーズを使用するとどうしても高カロリーになりがちです。しかし、カロリーハーフのマヨネーズをする工夫ができる他、現在、食嗜好に偏りがある場合、まずは1週間の中でさまざまなメニューを取り入れることで今よりも少し変わってくることと思います。

すぐに効果は表れない場合もありますが、何も取り組まないよりも、少しずつちょっとしたことから始めてみることが大切です。